2020、3、19
先日13日に突然母が他界した。
82歳の現在まで大きな病気をしたことがなく、毎日忙しく飛び歩いていた。
僕が小学校に入ると働きに出て、60まで働きに働いた。
母は京都の酒屋の次女に生まれ、親が身を粉にして働いている姿を見て育ったせいか、
彼女自身とにかく体を動かして働く人であった。
僕がドイツから帰国してすぐ60歳になったことをかわきりに仕事はすっぱり止め、バ
トミントンを始めた。
「次の日曜日仕事が休みだからそちらに帰るわ」と電話しても「その日はバトミント
ンの合宿やから来んといて」と断られるぐらい、一生懸命にバトミントンサークルの
役員として活動し、亡くなる二日前にも練習に参加していた。
その他一人暮らしのお年寄りの家に行って掃除したり、買い物を請け負ったりするボ
ランティアの活動もしていたが、お世話するお年寄りといってもほとんどは母より年
下だったという。
「足が痛いからと言うて、一日家の中でテレビの守ばかりしているから体が弱るんや
!」と利用者に檄を飛ばすらしかった。
亡くなる前日は市の防災訓練に参加して、21時ごろ帰宅し、自分の部屋の炬燵に座
って、餡パンを食べながら誰かにメールを作成し、その後ごろりと炬燵に足を入れた
まま寝転んで、そのまま息を引き取ったようだ。
そんな死に方があるのだろうか。
作成していたメールには、明日どこどこに行って、どこに寄って、家には何時ごろに
帰って来る、というような内容が書かれていたので、母自身ありふれた毎日を普通に
過ごしていたのだ。
おそらく体のどこにもこれといった不快感はなかっただろう。
妹が異変に気付いたのは次の朝で、死に顔はとても穏やかで、まさに眠っているよう
だった。
変死ということで一旦警察に持っていかれ検査した結果、脳血管障害ではないという
ことが判明したので、おそらく心疾患が原因であろうということだった。つづく
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